読書感想「三島由紀夫レター教室」

年齢も経歴も違う5人の主人公が、交わす手紙だけで構成された小説。

友人に薦められていなければ、三島由紀夫を手に取ることはなかったと思います。
切腹したくらいだから、さぞ真面目で潔癖な人だったんだろうなぁという私の三島像が、
見事に裏切られた。彼ってもしかして、お茶目な人だったのかしら?

手紙は時にラブレターであったり、脅迫状であったり、金の無心であったり、
主人公たちは己の欲望のまま、罵りあったりひがんだり、あけすけな行動を取るのが、面白い。
でも面白いわぁと笑っていたら、ふと、それが自分の姿と重なる時があって、どきっとする。
人間はどんなに飾っていても、所詮、俗っぽい生き物なのだ。
そうやって笑っている読者こそが、実は作者に笑われているのだ、と示唆している気もする。

そうして物語は集約して行って、一つの事件に各々が姦計ををめぐらすのです。

面白く、完成度の高い作品でした。
年齢層が見事に違う主人公たちなので、きっと読んだ時の年齢で、抱く感想も違うのではないかな。

身の上相談の手紙、そしてそれをボロクソにやりこめる返信は、
「なんかこれ見たことある感じ…」と思っていたら、現代の知恵袋や発言小町そのものだった。
三島由紀夫に発言小町を見せてあげたいです。
[PR]
by moonish2 | 2013-07-25 18:46


生活に潤いと幕末があればそれでいい


by moonish2

プロフィールを見る
画像一覧

重要なお知らせ

本館が引っ越しました。
新アドレス
http://moonish3.web.fc2.com/

お手数ですが、リンク先の変更をお願いします!!

その他のジャンル

ブログパーツ

以前の記事

2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
more...

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

日々の出来事
歴史

画像一覧