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リアル「火車」

夏なので怖い話を。
知り合いの男性は妻も子供も一軒家も車も持っているが、現在彼は仕事をしていない。それでどうして暮らしているのかというと、親戚に「どうしても月末までに50万必要なんだ。今回だけ貸してもらえないだろうか」と頼み込む。親戚も「子供のころから知ってる子だし、仕方ないなぁ」と思い、つい出してしまう。「なんかオカシイ」と親戚一同が気づいた頃には、皆が皆結構な額を出しており、しかも彼は消費者金融にもどっぷり浸かっていた。慌てて親戚は強面のおじさんやおじいさんを揃え、雁首をそろえて説教。「このままでは破綻が見えている」「子供もいるのだから、すべて売り払って一からやり直せ」「永遠に私達はお前に金を貸せないぞ」誰が聞いてももっともな話で、彼も神妙に聞いていたのだけど、終わった後、ぽつりと言ったらしいです。「どうして皆あんなに怒っているんだろう…」

この話の怖いところは彼が普通の人だというところです。私も小さい頃から知っていますが、常識のある、二枚目のスマートです。それがいつの間にか話が通じなくなっていました。弁護士に言わせると、消費者金融からお金をドンドン借りていくと、そのうち感覚がおかしくなってしまうのだそうです。そういう人を沢山見てきたのですって。宮部みゆき著の「火車」に自己破産に追い込まれた若い女の子が「どうしてこんなことになったのかわからない…」と呟く場面がありますが、まさにあれ。

本人も気づかぬうちに、感覚が狂う。真っ当な意見がわからなくなる。自分がもしそんな状態に陥ったら、と思うとぞっとしました。(ちなみに彼の奥さんも同じ状態だとか。この話、オチがないのもまた怖い。どこへ向かうこの家族)
by moonish2 | 2005-07-22 09:31


生活に潤いと幕末があればそれでいい


by moonish2

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