読書感想「夜の底は柔らかな幻」

主人公、実邦はかつて捨てた故郷である「途鎖(とさ)国」に、密入国するために戻ってきた。
そこは在色者と呼ばれる特殊能力を持つ人間が多く生まれる土地であり、
死者に会えるという信仰対象の山がある。危険を冒して山に入る彼女には、ある目的があった。

恩田陸さんのホラーです。
「ネクロポリス」の日本版?と思ったら、結構血なまぐさいお話。
こういう、根底にある不気味さを描けるのは、日本人ならではのホラーだと思う。
重苦しい、山の空気。圧倒的な力を持つ未知存在。シリアルキラーたち。狂っていく子供。
恩田ワールド全開!
ぜひ映画で見たいけど、映像化は無理だろうなぁ。

幽霊は人間の頭の中にある、というのは恩田さんの持論ですね。
「夢違」でもあったような、人が思い描く恐怖やトラウマが現実に具現化する現象があり、
あれ?これって「姑獲鳥の夏」にも共通するなぁ、と今回思いました。

私が子供の頃、よく「眠っている自分の足元に何か居る」という夢を見ていて、
それがトラウマ化しているので、私が主人公のように山に入ったら、その現象が現実になると思う。
考えただけで泣きそうです。

物語の最初のほうは、全然説明がされなくて、徐々に主人公たちの思惑や、
旅の目的が明らかになってくるけど、そこは恩田さんなので、綺麗にハッピーエンドにはならない。
終わった後の、霧をつかみ損ねたような、寂寥とした読後感をお楽しみください。

ネタバレ
・これから仏像が怖くなる。特に手。
・ストーカー葛城が、最初一番危ない奴に見えたのに、ラストでは一番まともにも見えてきてしまう不思議。しかもちょっとかっこいい!なんか好き!
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by moonish2 | 2013-04-05 22:15


生活に潤いと幕末があればそれでいい


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