読書感想「ユージニア」
恩田陸先生の作品はじわじわくる。
伏せ字にされてますが、どこをどう読んでも、舞台は金沢です。
「この街では、水平線は近い。常に陸にのし上がる機会を窺っている。
いつも見張られているようで、ちょっと目を離すと海から湿気が
押し寄せてくるように感じたものよ。」
この閉塞感、ねちっこいくらいの都市描写が、すごくよく合っていました。
名家で催された米寿を祝う席で、 十七人が毒殺される事件が起きる。
生き残りは盲目の少女だけで、現場には不可解な詩「ユージニア」が残される。
すべてが霧の向こうにあって、つかめそうでつかめない感じが、
ずっと続いて、鮮やかな夏の印象が残る、美しい作品でした。
物語のキーワードとして出てくる「青い部屋」は成巽閣にある「群青の間」です。
ラピスラズリで壁が真っ青に塗られているのですが、
確かに日本家屋にあの青の部屋があると、一種異様な、ぞっとする気配もありますね。
神殿のような、近寄りがたい部屋ではあります。
子供の頃から知ってるから、特に何も感じなかったけど、
物語の題材にするにはうってつけの意味深な部屋だ・・・と改めて思いました。
余談ですが、成巽閣は冬に行くと受付で厚手の靴下を貸してくれる。
(廊下がものすごく寒いため)優しくて好き。
伏せ字にされてますが、どこをどう読んでも、舞台は金沢です。
「この街では、水平線は近い。常に陸にのし上がる機会を窺っている。
いつも見張られているようで、ちょっと目を離すと海から湿気が
押し寄せてくるように感じたものよ。」
この閉塞感、ねちっこいくらいの都市描写が、すごくよく合っていました。
名家で催された米寿を祝う席で、 十七人が毒殺される事件が起きる。
生き残りは盲目の少女だけで、現場には不可解な詩「ユージニア」が残される。
すべてが霧の向こうにあって、つかめそうでつかめない感じが、
ずっと続いて、鮮やかな夏の印象が残る、美しい作品でした。
物語のキーワードとして出てくる「青い部屋」は成巽閣にある「群青の間」です。
ラピスラズリで壁が真っ青に塗られているのですが、
確かに日本家屋にあの青の部屋があると、一種異様な、ぞっとする気配もありますね。
神殿のような、近寄りがたい部屋ではあります。
子供の頃から知ってるから、特に何も感じなかったけど、
物語の題材にするにはうってつけの意味深な部屋だ・・・と改めて思いました。
余談ですが、成巽閣は冬に行くと受付で厚手の靴下を貸してくれる。
(廊下がものすごく寒いため)優しくて好き。
by moonish2
| 2011-09-12 15:36